ジャパンブルー(バタフライピーブルー)とは
ジャパンブルー(バタフライピーブルー) 日本の技術が生んだバタフライピーの青いパウダー
ナチュラル原料を使って新しい青を食品業界に。
ツジコーでは食品原料事業として安心・安全・ナチュラルを追求した有機ハーブ栽培を東南アジア ラオス・タイの地で行っています。日本の品質管理に基づき、徹底した栽培と技術指導を行い、安心・安全のハーブ原料を栽培、加工しています
その中で私たちが見つけた青い花のハーブ "バタフライピー"
食品の中では貴重な青い色を持つハーブ、調べると様々な効果・効能があると言われていることが分かりました。
・脂肪の吸収を抑える
・食後血糖を下げる
・髪の成長を促進し、白髪を防ぐ
・抗酸化作用による老化防止効果
・肌質の改善・若返り効果
・脳機能の改善
・利尿作用
・抗炎症
・抗不安
・抗高血糖・抗HIV
・抗痙攣
・痴呆症予防
青色の秘密はアントシアニンの一種でバタフライピー由来のテルナチンと呼ばれる成分です。
この成分は、アントシアニンの中でも非常に安定性に優れており、天然色素では珍しく、熱や光では退色しづらい成分です。
さらに弊社ではハーブの持つ栄養素・色を最大限に生かしたまま、
より食品業界で使いやすい形にするために、商品開発に取り組んできました。
バタフライピーについて
栽培期間中農薬・科学肥料不使用で育てたバタフライピーを、手摘みで一つひとつ丁
寧に収穫しています。自社の加工にて日本の品質に合わせた検査を行い、様々な
関連商品の開発を行っています。
「美の源」豊富なアントシアニン
バタフライピーの神秘的な青い色を作り出すのは、ポリフェノールとして知られるアントシアニンの一種”テルナチン”です。アントシアニンの中でも非常に安定性が高く、きれいな青色を作り出せる珍しい成分です。テルナチンが豊富に含まれるバタフライピーの花は、タイやマレーシアなどの東南アジアの女性の間では、美容の源として積極的に生活に取り入れられています。東洋の美を生み出す魔法の青い花と言えます。
テルナチンA1
テルナチンは、アントシアニンの1種です。大きな糖類が結合した構造を有しており、それらがデルフィニジンの水酸基を保護することにより水和を防ぐことで通常のアントシアニンと比較し、非常に高い安定性を持っているのが特徴です。
「青」から「紫」・「ピンク」へ
鮮やかな青色から、一瞬で紫色に変化する不思議なハーブ「バタフライピー」。酸性のレモンやライムなどを入れることで、アントシアニン色素がクエン酸と反応して色が変化します。
飲食店でも大人気
バタフライピーの鮮やかな天然の青色。単体では、豆の風味がほのかにするくらいで味はあまりありません。そのため、色々なスイーツやドリンクのアレンジでお楽しみいただけます。
殺菌パウダーとエキスパウダーの違い
バタフライピーの殺菌パウダーは、100%花の微細パウダーとなります。用途としては、チョコレート、キャンディー、マカロン、パン、アイシングクッキー、アイスクリーム、ジェラートなどに利用します。
バタフライピーのエキスパウダーは、乾燥花をお湯で抽出し、デキストリンにて、スプレードライした青紫系のパウダーとなります。100%水溶性で、飲料系(ジュース、アルコール、ゼリー、プリンなど)に利用することができます。
ただし、エキスパウダーは国際的に食品添加物と定義されますが、日本では、一般飲食物添加物として利用することができます。
化粧品原料としては、化粧品表示名称「CLITORIA TERNATEA flower extract」として登録があり、東南アジアを中心に、青いシャンプー、コンディショナーなどの育毛剤として利用されています。
下記では殺菌パウダーとエキスパウダーの製造上の工程の違いを示します。
バタフライピー殺菌パウダーを使用した事例を紹介します。
バタフライピーエキスパウダーを利用した事例を紹介します。
青い殺菌パウダーについて
殺菌パウダーの生産は、乾燥花を温風乾燥させてから、粉砕、殺菌します。粉末の粒子径は、10-20μm と微細で水溶性です。殺菌方法としては、独自の技術を利用したボールミル技術を利用しており、殺菌中に熱を加えないために、植物本来の機能性成分を劣化させることはありません。このパウダーは、世界基準のHACCPに遵守し、安全衛生が管理された工場で生産されています。
殺菌パウダーは、100%バタフライピーの乾燥花の青い粉になりますので、100%ナチュラルです。
日本では、食品原料または、一般飲食物添加物(着色料)として利用できます。
この青い殺菌パウダー原料を利用して、フォトジェニック性の高い綺麗な食品(ケーキ、チョコレート、マカロン、麺、琥珀糖、パン、ソフトクリーム、ジェラートなど)を創造性豊かに作ることができます。
青い殺菌パウダーの特性
青い微細殺菌パウダーを科学的に、安全性、溶解性、熱・光・pH・アルコール安定性、アレルギー特性などの調査をしたところ、100%ナチュラルな原料として、利用できることが判りました。
特に食品に利用する場合は、ナチュラル色の色価や退色性が一番の課題となります。
以下に当社や分析センターでの特性を示します。
1) 熱安定性では、80℃以下であれば、3時間で色素の減少はありません。
2) 光安定性では、酸性では安定性が向上し、アルカリ性ではやや低下します。
3) アルコールによる色素消失はありません。
4) pH安定性では、青の成分がテルナチン(アントシアニン)であることから、中性域では青色を呈し、弱酸性から酸性にかけて紫色~ピンク色、アルカリ性では緑色に変化します。
この特徴を理解し、食品着色として、利用することが必要になります。
色の変化
バタフライピーは食品では貴重な天然の青色色素をもちますが、その色がpHによって変わることはよく知られており、この仕組みはChuら(2016)の研究で紹介されています1)。
バタフライピーのアントシアニンはpHに応じて4つの形態と色を示します。
すなわち、pH1-3の強酸性域では赤色のフラヴィリウム型、pH4-5の弱酸性域では無色のカルビノール塩基型、pH6-7の中性域では青色のキノイダル塩基型、そしてpH8-9の弱アルカリ域では黄色のカルコン型です。バタフライピーのアントシアニンは水溶液のpH変化に応じて可逆的にこれら形態に変化し、かつそれらのバランスのよって、人が目で見たときに異なる色が表現されます。
レモンやライム果汁など酸を加えると青色から紫、ピンクと変化しますが、これはフラヴィリウム型が優勢になるからです。
一方で、重曹を加えたり硬度の高いミネラルウォーターの中ではキノイダル塩基型さらにはカルコン型が優勢になるため、美しいエメラルドグリーンのような緑色に近づきます。
色の変化
色の安定性
2000年の寺原・西山の研究によれば、バタフライピーの青色の主体であるテルナチン類は、アントシアニンの中でも極めて安定性が高く、その要因はテルナチン類のグルコースとクマル酸で構成させる側鎖が水溶液中で折りたたまれ、重なったクマル酸とデルフィニジンが水和反応することで、退色につながるデルフィニジンの2位の炭素が守られるためであるとしています2)。
また、Chuら(2016)やTantituvanontら(2008)は、砂糖添加やpH調整によりバタフライピーの安定性を高めることができると報告しています3)。これは弊社の社内実験でも確認されており、pHの異なるバタフライピーエキス水溶液を80℃の熱に晒したところ、中性では3.5時間後の色素残存率が87%であったのに対して、酸性では97%でした。
また、中性に砂糖20%(w/v)添加すると色素残存率は91%に向上しました。同様の水溶液を冷蔵庫内で平均3,500ルクスの光に15日間晒したところ、中性の色素残存率は2週間後に75%であったのに対して酸性ではほぼ100%でした。
やはり中性よりも酸性の方が安定性が高く、また糖類の添加により安定性が若干高まるようです。リキッド最終製品で使用される場合は、退色を防ぐために酸性のレモンやライムなどの果汁と砂糖で味を調えることをお勧めします。
青い殺菌パウダーの特性の詳細はお問合せください。
1) Chu, B.S., J. Wilkin, M. House, M. Roleska, M. Lemos. Effect of Sucrose on Thermal and pH Stability of Clitoria ternatea Extract. International Journal of Food Processing Technology, 2016, 3, 11-17
2) 寺原・西山.チョウマメ花アントシアニン色素の抗酸化活性に関する研究.浦上財団研究報告書.2000.8:17-27
3) Tantituvanont A., Werawatganone P., Jiamchaisri P., Manopakdee K. Preparation and stability of butterfly pea color extract loaded in microparticles prepared by spray drying. Thai J. Pharm. Sci., 2008, 32:59-69
バタフライピーの花の安全性について
バタフライピーの安全に関する過去の当社の調査を説明いたします。
1)日本において
当社では、厚生労働省に、2017年春ごろに、日本食品分析センターにておこなったラットの過剰摂取実験、Ames試験などを提出して、安全上問題がないことを確認しています。
2017年9月に厚生労働省から、当社製のバタフライピーの花のパウダーやエキスは食品原料として認可して頂き、2019年 9月に、一般飲食物添加物として、認可されております。
現状、日本では、バタフライピーに関して、健康被害の報告はありません。
また、日本では、バタフライピーに含まれる青い成分であるテルナチンの機能性表示食品原料(食後血糖値を下げる、脂肪を抑制する)として開発を進めています。安全性試験(過剰摂取、長期摂取)をヒト試験でおこなっていますが、ヒト試験でも、安全性が認められています。
2023年の夏ごろには、機能性食品(食後血糖値を下げる、脂肪を抑制する)が商品化される予定です。
2)タイにおいて
タイでは、100年以上も前から、バタフライピーの花を食したり、青いお湯を着色として利用しています。健康被害について、調査しましたが、報告はありませんでした。
バタフライピー殺菌パウダーに関して、2017年に、タイFDAから、食品原料として許可を得ています。
3)アメリカでの状況
バタフライピーエキスパウダーが、2021年9月2日にUS FDAにて、青い食品着色料として認められています。
現在、殺菌パウダーについても申請準備を行っております。
4)EUでの状況
EUでのバタフライピーの普及を目的に、安全性に関する書類や分析データをまとめてEFSA : European Food Safety Autority, 欧州食品安全機関へ提出しております。その中で、バタフライピーに含まれるシクロチドに関する質問がありました。植物に含まれる環状ペプチドで、100種類を超え、まだまだ研究がされていない成分です。シクロチドは、防虫成分で、植物が害虫を防ぐために、一般的に葉に多く含まれます。
当社では、長浜バイオ大学と産学連携を行い、バタフライピーの花に含まれるシクロチドの同定を行い、含有量を調査し、安全性の確認を進めています。
以上の情報から、「バタフライピーの花が、健康被害を生じさせるエビデンスは現時点ではない」と考えております。今後、新しい情報があれば、更新していきます。